約 758,471 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16136.html
○ 部室。 いちごと別れた私は、 逃げ出しそうになる脚を無理矢理動かして、軽音部の自分の席に座っていた。 部室の中には私以外誰も居なかった。 代わりと言っては何だけど、私の机の上には変な落書き付きのメモが置かれている。 『あずにゃんをさがしてくるよ!』 落書きといい、文字といい、間違いなく唯の書き置きだった。 いや、書き置きを残してくれるのはありがたいんだけど、相変わらずこの落書きは何なんだ? 猫みたいな生物の両耳の辺りから、 妙に長くて太い毛がにょろりと生えているんだが……。 ひょっとして、これが唯の『あずにゃん』のイメージなんだろうか。 この長くて太い毛をツインテールだと考えれば、 梓+猫のイメージで『あずにゃん』だと考えられなくもない……気もする。 と言うか、自分をこういうイメージで見られてると知ったら、多分梓怒るぞ。 でも、我ながら情けない事だけど、その現状に私はとりあえず安心していた。 別に落書きの正体が『あずにゃん』なんだろうって事とは関係ないぞ。 勿論、今の部室の中に誰も居ない現状の事だった。 色んな問題を解決しなきゃいけないのは分かってる。 それでも、今の私にはその解決の糸口すら見つけられていない。 無理矢理にやる気と使命感を湧き上がらせる事だけは出来ても、 解決のための具体的な方法が全然思い浮かんで来てなかった。 「いつもこうなんだよなあ、私……」 机に突っ伏しながら、つい呟いてしまう。 ドラムを叩いてる時もよく言われる事なんだけど、私は結構勢いだけで動いちゃうタイプだ。 よく考えて動くべきなんだろうって思う事も勿論あるけど、 それでもこれは私の持って生まれた性格って言うか、 変えたくない自分の中のこだわりって言うか、 とにかく勢いに乗っちゃうノリのいい自分でいたかった。 勢いに乗り過ぎて失敗する事も、誰かを傷付けちゃう事もいっぱいあったけど、 勢いだけでも動いていれば、何かが上手くいくはずだって、多分心の何処かで信じてた。 ううん、今だって、信じてる。 そうやって私は生きて来たんだから。 生きて来れたんだから。 だけど、今は勢いだけじゃどうにもならない。 そんな気もしてる。 何かをしなきゃとは思うし、 勢いで梓や澪の悩みに踏み込んでみるのもありだと思う。 そうすれば案外と簡単に、二人の悩みを晴らしてあげる事も出来るかもしれない。 そうだったらどんなにいいだろう。 でも、今勢いだけで動いたら、これまでの私の経験から考えて、 間違いなく私だけで空回っちゃって、余計に二人を傷付けてしまう気がする。 そんな……気がする。 思い出すのは、二年の時、澪と喧嘩をしてしまった時の事だ。 あの頃、私は自分の傍から澪が離れていく感じがして、凄く焦ってた。 今でも何故かは分からないけど、澪が離れていくのがとても嫌だった。 もしかしたら、ずっと傍に居てくれた澪が私の傍から居なくなったら、 それ以外の誰かもどんどん離れていって、 最後には独りぼっちになっちゃうなんて事を考えてたのかもしれない。 はっきりとは自分でも分からない事だけどさ……。 だから、私はどうにか澪の注意を自分に向けさせようって思ったんだと思う。 勢いに乗ってふざけたりしていれば、いつもどおり澪がこっちに向いてくれるって思った。 でも、それは失敗した。 私のした事は澪を怒らせ、困らせるだけだった。 分かってくれない澪に私は腹を立てて、 それ以上に澪を困らせてしまった私に腹を立てて、しばらく軽音部にも顔を出せなかった。 それどころか風邪までひいちゃって、顔を出したくても出せない状況にまでなった。 さっき吐いたのもそうなんだけど、 私って意外と繊細で、少しでも精神的に参るとすぐに身体の方にも影響が出るんだよな。 こんな繊細さなんて、何の自慢にもなりゃしないけど……。 あの時、私は澪を傷付けた。 傷付けてしまったと思った。 そう思うと自分のしてしまった事が恐くて、何も出来なくなって。 勢いで前に進みたい自分と、それを止めようとする自分で雁字搦めになって……。 本当に意外に繊細で、それが自分でも嫌になる。 そういう意味で考えると、澪以上に気になるのが今の梓だった。 私の姿を見て逃げ出した梓。 嫌われてしまったのかもしれないし、嫌われる原因はいくつも思い当たる。 でも、それは被害妄想として片付ける事は出来る。 それだけなら、私もどうにか梓のために動き出せると思う。 動けなくなるのは、自分が梓に好かれる要素が一つも思い当たらなかったからだ。 唯は梓を可愛がってるし、梓もかなり唯に懐いてると思う。 澪は梓の憧れの先輩で、澪の梓に対する指導は的確だ。 ムギも梓に優しいし、お互いに信頼し合っているみたいだ。 私……はどうなんだろう? 私は梓に対してどんな先輩だ? 可愛がっていたか? いい先輩だったか? 優しくしてやれたのか? ……答えは出せない。 それでも、嫌われてると考える事よりも、 好かれてないのは間違いないと考えられる事の方が、私にはとても辛かった。 「なあ、お前は梓から何か聞いてないか? 私の事について……とかさ」 ちょっと思い立って、私は水槽に視線を向けてトンちゃんに呟いてみる。 トンちゃんは私の言葉を聞いているのかいないのか、 いつもと変わらず優雅に泳いでいた。 そりゃそうだ。 でも、思った。 梓は私だけじゃなく、軽音部の他の皆にも今の自分の悩みを話してくれなかった。 だけど、もしかしたらトンちゃんになら話しているかもしれない。 トンちゃんを一番世話しているのは梓だ。 『終末宣言』後も、梓はずっとトンちゃんの世話を欠かさなかった。 だから、梓もトンちゃんにだけは、自分の悩みを打ち明けているかもしれない。 勿論、それでどうなるわけでもない。 トンちゃんが私達の言葉を分かってるかどうかも分からないし、 もし分かってたとしても、私にもトンちゃんにもどうしようもない。 だって……。 「喋れないもんなあ、お前……」 私は呟きながら、つい苦笑してしまう。 トンちゃんは喋れないって当たり前の事をおかしく思ったからじゃない。 もしも喋れたとしても、 トンちゃんなら梓の悩みを人に言ったりしないんじゃないかと思えたからだ。 梓もそう思っているから、トンちゃんに悩みを打ち明けているんだろうか。 「トンちゃんより信頼されてない部長か……」 それは全部私の勝手な思い込みだけど、少し落ち込んだ。 駄目だ駄目だ。 弱気になってるばかりじゃ、本当に何も出来ないままに終わっちゃうじゃないか。 突然。 そうやって頭を振っている私の耳に予想外の声が響いた。 「ハーイ! アタイ、スッポンモドキのトンちゃん! チェケラッチョイ!」 「喋ったあああああ!」 つい叫んでみたけど、勿論そんな事があるわけない。 乗っておいて何だけど、呆れた視線を部室のドアの方に向けてみる。 聞き覚えのある声だからその声の正体は分かっていたけど、 それでも、その人の顔を確認しない事には、ちょっと信じられなかったからだ。 「何やってんだよ、和……」 その声の正体を確認して、私はつい肩を落としてしまう。 私のせめてもの願いも空しく、そこに立っていたのは予想通り和だった。 いや、本当に何やってんだよ、和……。 せめて和だけはボケ担当になってほしくなかった……。 私がそうやって呆れた視線で見つめてみたけど、 和は何でもない様な顔で部室の中に入って来ながら言った。 「たまにはね」 「たまにはって和……」 「律がトンちゃんと話したいみたいだったから」 「……見てたのかよ」 「ええ」 「そっか……」 本当なら見られたくない自分の姿を、 人に見られてしまった私は焦るべきだったんだろう。 だけど、何故かそんな気は起きなかった。 見られた相手が和だからかもしれない。 「お母さんみたい」ってのが皆の和に対する評価だけど、私も何となくそう思ってる。 だから、私は不思議なくらい焦らなかったんだろうな。 和は私がトンちゃんに話しかけていた事について、とりあえずはそれ以上触れなかった。 ただ部室の中に入って来て、長椅子の辺りで軽く微笑んでるだけだった。 私も釣られて軽く笑ってしまう。 何だかとても落ち着く空気が流れてる気がした。 でも、二人して微笑んでるだけっていうのも、何となく気恥ずかしかった。 私は頭を掻きながら、微笑んでる和に訊ねてみる。 「ところでどうしたんだ、和? 唯ならいないぞ」 「いいのよ。唯がいないのは知ってるわ。見てたもの」 それもそうだった。 私がトンちゃんに話しかける姿を和が見てたって事は、 和が部室の外からドアの隙間越しに部室内の様子を伺ってたって事だ。 唯がいない事は分かり切ってる事だった。 でも、だったらどうして部室に? その疑問を私が口にするより先に、私の考えを読み取ったのか、和がその答えを口にした。 「今日は律に用があって来たのよ」 「私に?」 少しだけ意外だった。 和とはいい友達だけど、二人きりで話をする事は少なかった。 特に和自身に私への用事があるなんて、滅多にない事だったからだ。 私は好奇心を抑え切れず、和にまた訊ねてみる。 「何? 私に何の用?」 すると和が少し激しい表情になって、 私達の間ではお決まりになっている台詞を口にした。 「ちょっと、律! 講堂の使用届がまだ提出されてないわよ!」 「忘れていたー! ……って、何の届けやねん!」 習慣でつい叫んじゃったけど、途中で思い直して和に突っ込んだ。 確かに私は書類を提出するのを忘れがちだけど、今は提出する書類なんてなかったはずだ。 疑いの眼差しで和を見つめたけど、 和はそれを気にせずにまた平然とした普段の表情に戻るだけだった。 怒った様子は演技だったみたいだけど、 書類の話自体は本当だったって事なのか? 何か出さなきゃいけない書類なんてあったっけ? って、確か和は講堂の使用届って言ってたよな……。 まさか……。 そう思いながら、私はおずおずと和に訊ねる。 「講堂の使用届……?」 「そうよ」 「講堂を何のために使うの……?」 「放課後ティータイムのライブのため」 「使用届、必要なの……?」 「それはそうよ。 使いたがってる部も多いんだから」 「マジで?」 「マジよ」 「大マジ?」 「大マジよ」 知らなかった……。 と言うか、まだそんなシステムが生きてたとは思わなかった。 それに講堂を使いたがってる部が他にあったなんて、 世界が終わる直前って言っても……、 いや、直前だからこそ、考える事は皆同じなんだな……。 これは素直に自分の考えが甘かったって思った。 私は和に頭を下げる。 「ごめんな、和。 まさか私達以外に何かやりたがってる部があるなんて思わなくて……。 でも、何で和がライブの事を知ってるんだ? それに私達が講堂を使うかどうかも、まだ決めてなかったんだけど……」 私の言葉に和が少し優しい顔になった。 でも、それは私に対して優しくなったわけじゃない。 それは和が唯の事を話す時にする顔だったし、 その後に和が話し始めたのはやっぱり唯の話だった。 「唯がね。 最後に大きなライブをやるって言ってたのよ」 「やっぱり唯だったか。 信代だけじゃないとは思ってたけど、 唯の奴、あっちこっちで宣伝してんな……」 「そうね。でも唯、楽しそうだったわよ。 「絶対、歴史に残すライブにする!」って言ってたしね」 「あいつ、そのフレーズ好きだな、オイ」 私が笑いながら言うと、和も「そうね」と優しく笑った。 「私とライブの事を話した時も五回くらい言ってたし、 今はそれが唯の好きなフレーズなのね。 でも、あの子、何処でライブをやるのかも決めてないみたいだったから、 それで律に講堂の使用届の事を話しておこうと思ったのよ」 「いや、別に私も部室でするか、 最悪グラウンドでやれればいいか、って思ってたんだけど……」 「駄目よ。 部室だと小さなライブになるし、グラウンドだと天候に左右されるじゃない。 「絶対、歴史に残すライブにする」んでしょ? こういう準備はちゃんとしておかないとね」 「そうだな……。ありがとう、和。 「絶対、歴史に残す」んなら、会場もでっかいライブにしないとな……。 なあ和、講堂の使用届、まだ間に合いそうか?」 「深夜なら空いてなくはないけど、金曜日までは無理ね」 「もうそんなに予定が埋まってるのか?」 「ええ。どこの部も最後に何かを発表したいみたいだし、 桜高以外の団体からも申し込みがあるから、ほとんど埋まってるわね。 こんな時だけど、こんな時だからこそ、 そういう予定はきちんと組んでおかないと……。 それでまだ空いてる時間となると、金曜日か土曜日の夕方になるわ」 「金曜か、土曜か……」 そう呟きながら、私は迷っていた。 本当なら考えるまでもなく、金曜日にライブをやるべきだ。 いや、どうしても金曜日が好きってわけじゃなくて、 消去法で考えると必然的に金曜日しかなくなるだけだ。 だって、そうじゃないか。 よりにもよって世界の終わりの日の前日の土曜日にライブをやるなんて、 演奏する私達はともかく、呼ばれた皆にとっては迷惑この上ないだろう。 馬鹿らしい例えだけど、 それこそ富士山頂でやる結婚式に招待されるくらい迷惑に違いない。 だから、考えるまでもない。 ライブは金曜日の夕方。 これで決まりだ。 8
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16146.html
どれくらい経ったんだろう。 突然、普段より低い声色で、ムギが深刻そうに呟いた。 「りっちゃんは……、澪ちゃんと喧嘩したの?」 何て答えるべきか少し迷ったけど、私は大きく頭を横に振った。 「いや……、喧嘩じゃ……ないな。 喧嘩じゃないんだけど、今日は会えないんだよ。 変な事を言ってるとは思うんだけど、悩んでるんだよ、お互いに……。 悩まなきゃ……、駄目なんだよ、私達は。 こんな状況で何を悠長な、って思われても仕方ないのは分かってる。 でも……、でもさ……」 上手く言葉にできない。 自分の中でも曖昧にしか固まってない考えなんだ。 そんな考えを人に上手く伝えられるはずなんてない。 だけど、上手くなくても私はムギに伝えなきゃいけなかった。 ムギも当事者だ。軽音部の仲間なんだ。 そんな私の我儘や曖昧な考えで振り回してしまってる事だけは、謝らなきゃならない。 勿論、まだムギの表情を見るのが恐くて堪らなかったけど、私は顔を上げた。 謝り続けたくはあったけど、単に頭を下げ続けるのも逃げの様な気がしたからだ。 これから責められるにしても、 私はムギの顔を見ながら責められるべきなんだと思うから。 だから、私は伏せていた視線をムギの顔に向ける。真正面から見つめる。 「やっと顔を上げてくれたね、りっちゃん」 視線を合わせたムギは微笑んでいた。 さっきまでの困ったような笑顔じゃない。 安堵……って言うのかな。 すごくほっとしたみたいな笑顔だった。すごく意外な表情だった。 「よかった……。喧嘩じゃなかったんだね。 りっちゃんと澪ちゃんが喧嘩してるわけじゃないなら、私はそれで十分よ。 勿論、今日澪ちゃんと会えないのは残念だけど、 誰よりも澪ちゃんと付き合いの長いりっちゃんが言う事だもん。 きっとりっちゃんも澪ちゃんも今日は悩まなきゃいけない日なんだよね。 だったら、私も応援する。応援したいの、二人の事を」 責められると思ってた。 責められるだけの事はしたと思ってたし、今でも思ってる。 だけど、ムギは笑顔で私を見守ってくれている。 ムギの笑顔は本当に温かくて、それが辛くて、私はまた呟いた。 「でも……、それは私の我儘で、こんな状況なのに……。 それなのに応援してくれるなんて……、こんな私の我儘を……」 「ねえ、りっちゃん? りっちゃんは優しくて、誰のためにでも一生懸命になってくれるよね? 私はそれが嬉しいし、そんなりっちゃんが大好きよ。 でも……、でもね……、 私、りっちゃんにはもっと自分に自信を持ってほしい。 我儘だって、もっと言ってほしいの」 「自信って……、だけど私は……」 「学園祭の時だってそう。 メンバー紹介の時、りっちゃんの自分の紹介がすごく短かったじゃない? 私、それがとても残念だったの。 私達の軽音部の部長なんだって、自慢の部長なんだって、もっと皆に紹介したかったな」 「それは……、確かにそうだったけどさ……」 学園祭の時は夢中で記憶はあんまりないけど、何となくは覚えてる。 ムギの言葉通り、学園祭のメンバー紹介の時、私は自分の自己紹介を早々に切り上げた。 それは照れ臭かったからってのもあるけど、 私よりも他のメンバーの紹介をした方が観客の皆も喜んでくれると思ったからでもある。 部長ではある私だけど、 私自身を目当てにライブに来てくれた人はあんまりいないはずだと思ったんだ。 だから、皆の紹介を優先した。 その方が多くの人に喜んでもらえると思ったんだけど、ムギはそれを残念だと言った。 自慢の部長だって言ってくれた。 私はそのムギの言葉にどう反応したらいいのか分からない。 自慢の部長だと言ってくれるのは嬉しいけど、 私にそう言われるだけの価値があるのか自身が無かったからだ。 自身が無い……か。 考えていて、気付いた。 ムギが言うように、確かに私は自分に自信があんまり持ててないみたいだ。 それはもしかすると無意識の内に、 部のメンバーと自分を比較してるからかもしれなかったけど、それは別の問題だった。 ムギが私に自信を持ってほしいと言ってくれている。 今はそれを優先的に考えるべきなんだろう。 少し声を落として、小さな声でムギに訊ねる。 「私、自慢の部長かな……?」 「勿論!」 即答だった。 迷いがなく、お世辞でもなく、ムギは強い瞳でそう言った。 拳まで握り締めて、強く主張してくれた。 元々、ムギは嘘が吐けるタイプでもないし、本気でそう思ってくれてるんだろう。 でも、その理由が私にはどうしても分からなかった。 悪い部長ではなかったと思うけど、 ムギに力強く主張されるほどいい部長だったとも思えないんだ。 私のその疑問を感じ取ってくれたのか、ムギがまた珍しく強い語調で続けた。 「さっきも言ったけど、りっちゃんは部員の私達の事を考えてくれてる。 自分よりも優先して考えてくれてるよね。 いつも明るいし、楽しませてくれるし、 軽音部の皆もそんなりっちゃんの事が大好きだと思うわ。 この高校生活、途中で終わっちゃう事になっちゃったけど……、 それはすごく残念だけど……、 でも、これまでずっとずっと楽しかった。 本当に本当に嬉しくて……、楽しくて……、 それは軽音部の部長でいてくれたりっちゃんのおかげよ。 だから、りっちゃんは自慢の部長よ。 何度でも自信を持って言えるわ。 りっちゃんは私達の自慢の部長なの」 嬉しかった。 そのムギの言葉が心から嬉しくて、舞い上がってしまいそうだった。 私はそんな部長でいられたんだな……。 それだけで軽音部を立ち上げた意味があったと思える。 だけど、同時にそれでいいのかって思ってしまう自分もいた。 ムギが軽音部を楽しんでくれたのは本当に嬉しい。 でも、それは……、それは……。 「ありがとう、ムギ。 私の事、自慢の部長って呼んでくれて嬉しい。 楽しんでくれて、私も嬉しい。 だけど……、それもさ……、私の我儘なんだ……」 私は言ってしまった。 言わない方がいい事だったんだろうけど、私はそれを伝えたかった。 ずっと心の中に引っ掛かっていた事、 皆と笑顔でいながらも少しの罪悪感に囚われてしまっていた事を。 伝えたかったんだ、ずっと。 「私はさ、皆にはいつも楽しんでほしいし、笑っててほしいよ。 そのためには何だってしてあげたいし、そうしてきたと思う。 さっきムギは私が優しくて、皆のために一生懸命になれるって言ってくれたけど、 それは全部、皆のためじゃなくて自分のためなんだよ。 私は皆が楽しんでるのが嬉しくて、自分が喜びたくて、皆を楽しませてるんだ。 軽音部の部長をやってるのも、自分が楽しみたかったからで……。 ごめんな……。 私はそんな自慢の部長なんかじゃなくて……。 澪との事でもムギに迷惑掛けてる自分勝手な奴なんだよ……」 私の言葉はどんどん小さくなって、最後には止まった。 こんな事を伝えてもムギが困るだけって事は分かってたのに、 私は何でこんな事を言っちゃってるんだろう。 でも、ずっと気になってる事だった。 皆の……、特にムギと唯の笑顔を見ると、たまに不安になってたんだ。 私は私のために軽音部をやってて、 自己満足のためにムギや唯を楽しませてて、 そんな自分勝手な私の姿を知られたくなくて……、 でも、知ってほしかった。 謝りたかったんだ、それだけは。 急にムギが歩き始める。 手を伸ばせば私に届く距離にまで近付く。 誰かのために一生懸命のようで、 その実は自分の事ばかり考えてた私にムギは失望したんだろうか。 平手打ちの一つでも来るんだろうか。 それも構わない、と私は思った。 平手打ちの一つどころか、好きなだけ叩いてくれていい。 ムギが私の目の前で両腕を上げ、勢いよく振り下ろす。 衝撃に備え、私は覚悟を決めて瞼を閉じる。 一瞬後、私の両側の頬に衝撃が走った。 だけど……。 その衝撃は私の想像していたそれとは、痛みが全然違った。 平手打ちなんてものじゃない。 友達を呼び止める時、ちょっと勢いよく肩を叩く程度の衝撃だった。 「もう……。駄目よ、りっちゃん」 ムギの穏やかな声が響き、閉じていた瞼を開いてみて、気付く。 ムギが私の頬を両手で優しく包んでいる事に。 気が付けば、私は絞り出すように呟いていた 「何……で……?」 「いいんだよ、りっちゃん。 恐がらなくても、大丈夫。恐がる必要なんてないわ。 だからね、そんなに自分を責めちゃ駄目よ、りっちゃん」 「私が恐がってる……?」 私の言葉にムギがゆっくり頷く。 そのムギの頷きを見て、 そうか、私は恐かったのか、と妙に冷静に私は考えていた。 世界の終わりは勿論恐いけど、それ以外の事も多分恐かった。 澪との関係に答えを出す事も恐かったし、梓の問題を解決できるかも不安でたまらない。 これからの事に不安は山積みだ。 でも、何より恐いのは、最後のライブを成功できるのかって重圧かもしれなかった。 それは聡や憂ちゃんのせいじゃない。 ライブを楽しみにしてくれる人が想像以上に多かった事を、自分一人で恐がってたんだと思う。 「そうだな……。恐かったのかもな……」 軽く私が頷くと、「うん」とムギもまた頷いた。 それから困ったような笑顔を浮かべる。 微苦笑とでも言うんだろうか。私が困らせてしまった時、ムギが浮かべる表情だ。 「私もね……、本当はすっごく恐かったの。 この一ヶ月、私、お家のお手伝いをしてたじゃない? 詳しい事は分からないんだけど、でもね、ずっとお手伝いをしてると実感してくるの。 家族や、お手伝いの皆や、色んな人が必死に頑張ってる姿を見てると、感じるの。 世界の終わりの日は冗談なんかじゃなくって、本当に来るんだって。 それを皆、分かってるんだって……。 私、恐かったわ。 世界の終わりも恐かったし、私の大好きな皆も消えちゃうのがすっごく恐かった。 だからね、私、お家で何度も泣いちゃったわ」 「泣いちゃったのか?」 「うん。自分で言うのは、ちょっと恥ずかしいね……。 でも、本当よ? 毎日、お家のお手伝いが終わったら、ベッドの中でずっと泣いてたの。 お手伝い中、泣かないように我慢してた涙を全部流しちゃうくらい、大声で泣いてた。 しばらくの間、朝起きたらすごい顔してたな」 そう言うと、ムギの微苦笑から苦笑が消えた。 簡単に言えば、普段の優しい微笑みに戻ってた。 こんな時だけど、私は気が付けば軽口を叩いていた。 「そっか……。見たかったな、その時のムギの顔」 「駄目よ。その時の顔だけはりっちゃんにも見せられないわ」 「そりゃ残念だ」 わざと悪い顔になって私が言うと、「もう」とムギは軽く私の頬を抓った。 いや、これも抓ったってほどじゃない。 指に少し力を入れただけなのが、どうにもムギらしい。 そう感じがら、私は安心してる自分に気付いていた。 この一ヶ月、泣き過ぎてすごい顔になってたとムギは言った。 毎日じゃないだろうけど、学校に来なかった日にはそういうすごい顔をしてた日もあったんだろう。 だけど、少なくとも今のムギはそんなすごい顔をしてなかった。 今のムギは私達を安心させてくれる優しい顔をしてる。 つまり、ムギは泣かなくなったんだ。 世界の終わりに対する恐怖は完全には消えてないにしても、泣く事だけはやめたんだ。 笑顔でいる事に決めたんだ、最後まで。 「ムギはいい子だな」 言いながら、私も右手を伸ばしてムギの頬を触る。 柔らかく、温かいムギの頬。 ムギは首を傾げながら、少しだけ赤くなる。 もしかしたら、珍しい私の言動に照れてるのかもしれない。 顔を赤くしたまま、またムギが優しく微笑んで言った。 「りっちゃんだって素敵よ。 とっても素敵な私達の自慢の部長。 だって、世界の終わりの日が恐くなくなったのは、りっちゃんのおかげだもの」 「私の……? でも、私は何も……」 してない、と言うより先に、ムギは首を横に振った。 癖のある柔らかいムギの髪が私の手をくすぐる。 その後に私に向けたムギの顔は、これまで見たどんなムギの顔より綺麗に見えた。 「ううん。 りっちゃんの……、りっちゃん達のおかげで私は恐くなくなったよ。 確かに『終末宣言』の後、りっちゃん達と話す機会は少なかったけど、 私の中のりっちゃん達が私を励ましてくれたの。 離れていたけど、ずっと傍にいてくれたの」 「ムギの中の私達……?」 「うん。私の中のりっちゃん達が……。 あ、でもね、妄想とか、妖精さんとかね、そういう事じゃないの。 泣いてた時、本当に恐かったのは世界が終わる事より、 りっちゃん達ともう会えなくなるって考える事だったんだ。 あんなに楽しかったのに、あんなに夢中になれたのに、 その時間がもうすぐ終わっちゃうなんて、とっても辛かった。 りっちゃん達が私と同じ大学を受けてくれるって聞いて、 まだ楽しい時間を続けられるって思ってたのに、それができなくなるのが嫌だったの。 だから、何度も何度も泣いちゃった」 「私も……、そうだよ、ムギ……。 自分が死ぬとかより、皆と会えなくなる事の方が辛かった」 「でもね、泣きながら気付いたんだ。 離れてても、りっちゃん達が私の中にいる事に。 勿論、離れてても平気って事じゃなくて、 上手く言えないけど、上手く言えないんだけど……」 ムギが言葉を失う。 何か大切な事を伝えようとしてくれてるんだろうけれど、いい言葉が見つからないに違いない。 でも、それをムギには言葉にしてほしいし、私もそのムギの言葉を聞きたかった。 その手助けをしてあげたかったけれど、私はどうにも無力だった。 自分の想いすら曖昧にしか表現できない私には、ムギのその言葉を導いてあげられない。 くそっ……、何やってんだ、私は……! どうにか……、どうにかしたいのに、してあげたいのに……! 左手で頭を抱え、私はつい唸り声を上げてしまう。 瞬間、ムギが笑った。 これまでの優しい微笑みとは違う、何かが楽しくて浮かべる様な笑顔だった。 「もう、りっちゃんたら……。 また私のために一生懸命になっちゃうんだから……。 本当に優しいよね、りっちゃんは」 「あっ……」 今度は私が赤くなる番だった。 ムギの頬から手を放して、視線を逸らす。 その私の様子をムギは嬉しそうに見てたみたいだったけど、 しばらくしてから、「そうだわ」と何かを思い付いたように言った。 「ねえ、りっちゃん? これから新曲を合わせてみない? 微調整をしておきたい所もあるし、私、りっちゃんのドラムが聞きたいな」 18
https://w.atwiki.jp/motionclocks/pages/20.html
・設備からくり時計(近畿2) 此処では近畿地方のからくり時計を紹介していきます。 なお稼動状況は変化している可能性があります。ご了承ください。 からくり時計に関するコメントや質問、情報提供はこちら 都道府県 地域 設置している施設等 名称 制作年 時計提供メーカー 制作メーカー 作曲 デザイン・ギミック・エピソード 見ることができる時間 形状 設置場所 備考 稼動状況 資料 奈良県 奈良市 ならファミリー シルクロード 1992年 セイコー - 小泉まさみ氏 ラクダ「ポコラ」の背中からアジアンな人形が登場し、様々な曲芸を披露する。時計部とからくり部が離れた場所にあった。 毎正時 自立 屋内→屋外 撤去後、ラクダが屋上に設置された(内部の人形は不明)。人形の踊りと衣装を再現したCMも存在した。末期にはクリスマスバージョンも存在した。 からくり廃止・時計部撤去 Movie ミ・ナーラ 世界の人形時計 1989年 セイコー 乃村工藝社・シマエレ 横浜そごうを参照。稼働当時は各階にモニターがあり、からくりの様子を上映していた。 毎正時 壁面 屋内 横浜そごう同様正方形型。そごうからイトーヨーカドーになった際、時計真横のテナントがモンベルであり、撤去費を浮かすためかディスプレイである岩壁の裏に隠されてしまった。現在はイトーヨーカドーが撤退し別の商業ビルとなったが詳細不明。 廃止(隠し)? Movie なら100年会館 わらべ歌のからくり時計 シチズンTIC 2000年 時計周囲のステンドグラスを納めたチューブが回転し、中央のミラーに反転される。 9:00〜21:00 自立 屋外 奈良ライオンズクラブから寄贈されたもの。季節・時間毎に奏でる音楽が変更される。 夜は非常に見辛い。 時計が片面故障しており、時報も3分ほど早い。 稼働(一部故障) Movie Picture マツダオート ユーノス奈良 1989年 セイコー 壁面 詳細不明 不明 児童公園 シチズンTIC 自立 屋外 詳細不明。 不明 上牧町 特別養護老人ホーム 郁徳苑 観覧車 1990年 セイコー 壁面 野外 汎用型で、全国各地に設置。 音楽や人形が異なるとの情報があり、特注品の可能性。 不明 王寺町 王寺町役場前 和の鐘 1989年 シチズンTIC スペースデザインアオイ 塔のカリヨンが鳴った後、下部の人形たちが回転する。 9時・11時・13時・17時・19時 自立 屋外 数年前に音楽故障での稼働を確認。その後完全故障したが、修理され完全復活した。 なお、上部のスイングベルは午前7時に鳴る。 稼働 Movie 橿原市 近鉄百貨店橿原店 乃村工藝社 和時計のようなデザインで、中央部の窓に古墳時代の格好をした人形が二体おり、音楽とともに回転する。 自立 屋内 故障して以来演出を停止しているとのこと。 2022年人形撤去を確認。 廃止 Movie 大和八木駅 からくり時計塔 2007年 フェネック ゆるキャラ「こだいちゃん」が時計下部から登場。回転しながらお辞儀をする。 強風時は動かない。 毎正時 自立 屋外 橿原ロータリークラブ創立50周年記念で寄贈された。若干軋み音が目立つ。 2020年11月、故障により停止していたが、2023年に復活していることを確認。 稼働 Movie Movie(故障中) 生駒市 東生駒駅 パラボナアンテナをイメージ。音楽に合わせてシャボン玉が噴射される。 自立 屋外 現在は無音状態でシャボン玉も出ず、上部のアンテナ飾りが少し動くだけになっている。 不明 Movie 宇陀市 大宇陀地域事務所 故郷の鐘 シチズンTIC スペースデザインアオイ 「和の鐘」の兄弟分。王子町役場を参照。 9時 12時 15時 自立 屋外 落雷により長らく仕掛けはおろか時計部も止まったままだったが、2022年に時計のみ修復された。 廃止 大和高田市 さざんかホール シンボルからくり時計 1995年 セイコー 紋郎美術工業 大木の中央部が開き、小人や動物の音楽隊が登場する。曲目は「イッツ・ア・スモール・ワールド」他。 9時〜17時 自立 屋外 これまで故障した事がほとんどなく、状態が良い。 キツネの人形の向きがおかしい。 稼働 Movie 葛城市 二上山ふるさと公園 おもちゃ館 おもちゃ館・からくり時計 セイコー 時計が反転し、動物の音楽隊が楽器を演奏。 9時~17時 壁面組み込み 屋外 長らく動いていない時期があった。時報や楽曲のズレや音響の不具合があったが、近年全て改善された。 9〜11時「森のくまさん」、12時〜14時「山の音楽隊」15時〜17時「おもちゃのマーチ」。 2023年スピーカー交換を確認。 稼働 Movie 河合町 イオン西大和 1986年 ディグ 鳥獣戯画の一場面が上演される。下のモニターには店内紹介ビデをが投影される。 自立 屋内 ニチイ時代に設置 イオン時代になって撤去された模様。 撤去 和歌山県 和歌山市 フォルテワジマ(初代) 1992年 シチズンTIC スペースデザインアオイ 幕が上がると、少女のハープに合わせて動物達が楽器を演奏。 壁面 屋外 丸正百貨店時代に設置されていた。同じ場所に現在は別のからくり時計が設置されている。 撤去 Picture フォルテワジマ(2代目) 2007年 セイコー スペースデザインアオイ ルネッサンス期の建物をイメージ。屋根がせり上がり、フクロウ達が楽器を演奏。 9時〜22時 自立 屋外 時計が5分ほど遅れている。動かない人形が増えてきている。 稼働(一部故障) Movie 和歌山近鉄百貨店 アニマルバンド・プレイクロック(トキトキ楽団) セイコー 乃村工藝社・ディグ(デザイン) 文字盤が上昇し、動物の音楽隊が登場。左側には鐘を鳴らす熊が居た。 毎正時 壁面組み込み 屋内 手が届くほど非常に低い位置に設置されていた。 2017年撤去。 撤去 京橋プロムナード まりと殿様 1992年 シチズンTIC スペースデザインアオイ 籠が開き、中央から毬をつく殿様、左右から女の子とひげ奴が登場する。 9時~21時 自立 屋外 晩年は真ん中の殿様の人形しか出てこなくなっていた。2015年ごろに故障停止。 針が一度交換されている。廃止後一時期左右の突然人形が登場していた時期がある。 廃止 Movie(廃止後) Picture パームシティ和歌山 1993年 ディグ YAMATO ステージが展開し、スペイン風の人形が楽器を演奏したり、踊ったりする。 壁面組み込み 屋内 扉が固定されている。 廃止 Picture 田辺市 和歌山県立田辺工業高校 デロリアン 2020年 イルミネーションが点灯し、音楽に合わせてデロリアンのタイヤが回転し、展示台座も1周開店する。(18時には、ロータリーに設置したイルミネーションと車体を照らすスポットライトも点灯する) 9時・12時・15時・18時 自立 屋外 2016年から機械科の(当時)3年生が制作を始め、後輩たちが制作を引き継いで2020年に完成した。 稼働 Picture (資料付) 有田川町 藤並駅 シチズンTIC 扉が開くと、柿の収穫をする男女が登場。 自立 屋外 撤去 兵庫県 神戸市 神戸そごう 世界の人形時計 1996年 セイコー 乃村工藝社・シマエレ 横浜そごうを参照。 10時~20時 壁面 屋外 千葉そごうと同じ長方形型。近年文字盤が塗り直された。震災で半壊した壁の修復時に設置され、日本のそごうの時計の中では一番新しい。 廃止 西神そごう 世界の人形時計 1990年 セイコー 乃村工藝社・シマエレ 横浜そごうを参照。 10時~20時 壁面 屋外 横浜そごうと同じ正方形型。 廃止 Movie 西神プレンティ(初代) プレンくんのゆめ 1989年 セイコー - カリヨンが鳴ると、ピエロ人形「プレンくん」が目を覚まし、ワルツ曲に合わせてタクトを振ると、プレンくんの背後の箱からタンバリンを叩く人形が登場。さらに、下部のステージからグリム童話のキャラクターが躍り出る。 また、頭頂部の屋根の飾りからはリスが登場する。 自立 屋内 冒頭のカリヨン曲目は季節に合わせて変化していた。 また、プレンくんにはボイスレコーダーが備えられており、人と対話するというイベントも存在した(晩年は行っていなかった)。 故障を繰り返し、部品不足に直面していたため、2009年に「引退」と称し撤去され、「なでしこ時計」が設置された。 撤去 Movie 西神プレンティ(2代目) なでしこ楽団 2009年 セイコー ファイン プロジェクター機能を持つバックの花びらが開き、子供達が演奏する。季節にちなんだ派手な光のパフォーマンス。 10時〜21時毎正時※21:00のみ分前稼働 自立 屋内 季節によって春、夏、秋、冬、クリスマス(2パターン)、お正月の7種類の演出がある。周囲に踏むとプロジェクターが反応するスポットも存在した(廃止)。 店内リニューアルにより、2023年5月24日をもって終了する。 稼働終了 Movie (夏) Movie (クリスマス) 西神プレンティ(3代目) 森のなでしこ楽団 2023年 セイコー ファイン 時計の台座部分から5体の人形が登場し、更に上部の球体が開き計10体の鼓笛隊が登場。 季節に合わせた曲を奏でる(全13曲)。 10時〜20時までの毎正時 自立 屋内 2023年5月に稼働終了した「なでしこ楽団」をリニューアルしたもの。 映像の演出はなくなり、5体であった鼓笛隊が10人にグレードアップした。 曲は二代目と同じものが使用されている。 リニューアル早々より一部の人形の調子が悪い。 稼働 (一部故障) Movie (お披露目式典) Movie (秋昼曲) さんセンタープラザ マゼランくん(マゼラン時計) 両サイドの人形が歯車を回し、中央の人形が回転する。世界時計にもなっており、沢山の都市の時刻を表示している。 10 00~20 00 自立 屋内 2010年頃まで説明書きの看板が設置されていたが、現在は撤去されている。中央の人形はボロボロで動かない。 また、設置当初は文字盤の色が異なり、人形も設置されていなかったことを確認。 稼働 Movie ポートピア市民広場 時を告げるモニュメント 1982年 セイコー 外装 乃村工藝社 からくり ディグ 搭の鐘が鳴り、扉が開いて交流都市の人形達が行進する。 9時~17時(7月~9月は18時まで) 自立 屋外 年末年始は休止することがあるため注意。 稼働(一部故障) Movie 須磨パティオ 白い時計台(白雪姫時代) 1980年~2000年 セイコー 外装:乃村工藝社 からくり:ディグ 塔上の扉から登場した鳩が鳴くと、扉が開き、上段から白雪姫、下段から七人の小人が登場する。裏側の上段ではお妃が毒リンゴを持った魔女に変身するからくりなどがあった。 自立 屋内 30分ごとに作動していた。 稼働終了 白い時計台(ブレーメンの音楽隊時代) 2000年~2020年 セイコー からくり:田中製作所 塔上の扉から指揮者が登場すると上下の扉が開き、動物達が楽器を演奏する。表側は三匹の熊、ブレーメンの音楽隊、裏側は「三匹の子豚」「オオカミと七匹の子ヤギ」。 10:00〜19:00 自立 屋内 稼働終了 Movie 白い時計台(不思議の国のアリス時代) 2020年~ セイコー 登場の扉からハートのキング(裏面はティンカーベル)が登場すると上下の扉が開き、表側から不思議の国のアリス、裏側からピーターパンのキャラクターが登場する。 10:00〜19:00 自立 屋内 須磨パティオ40周年記念としてリニューアル。登場キャラクターは投票により決定した。 稼働時間が短い。 稼働 Movie 兵庫こども病院 2016年 スペースデザインアオイ 積み木のような時計塔の一部が回転し、「カエルの歌」に合わせてカエルが登場する。 10 00~17 00 自立 屋内 稼働 神戸ワイナリー ディグ 男女が社交ダンスを踊る。 自立 屋内 時計自体が停止している。 廃止 リブ住吉 水の妖精・カリリン 1989年 セイコー ロンドベル 天井の柱から雲に乗った妖精が登場し、本物のチューブラーカリヨンを演奏。 10時・12時・15時・17時 自立・天井組み込み 屋内 柱の下部は噴水になっており、噴水時計が設置されていた。晩年は故障で時刻が正しく表示されていなかったとのこと。現在は噴水も撤去されている。 撤去 Picture Movie (跡地) シーア住吉 カエルのコーラス隊 1989年 セイコー 噴水の中に設置された丸太が開き、カエルの合唱団が登場。演奏曲は「めだかの学校」。 11時〜18時 自立 屋内 音量が非常に大きく、電飾が激しく発光するため、子供たちからは怖がられていたという。 演出時刻は変更された時期があった模様。 季節によって演奏曲が変わっていた。 撤去 Movie (跡地) 王子動物園 1991年 パナソニック 木下製作所 吊り橋のゲートに設置。クジャクの羽が開き、歯車が回る。 10時・11時・13時・14時・16時(音楽なし) 9時・10時20分・12時・13時10分・15時(音楽あり) 壁面組み込み 野外 長年故障していたが、2015年に修理された。 23年、羽が半分開いた状態になっていることが確認。音楽は流れている模様。 からくり故障 Picture 西神南センタービル オズのカリヨン 1994年 「オズの魔法使い」に登場するドロシー、カカシ、ライオンが現れ、チューブラーカリヨンを演奏。 9:00 〜20 :00 壁面 屋内 晩年は人形の傷みに加えて、暴走が頻発するなどバグも酷く、カリヨンも音抜けが激しく演奏曲が特定できない程であった。 2020年、作動しなくなっているのを確認。 廃止 Movie 西神南セリオ 2015年 歯車が回転しメロディーが流れる。 15分毎 壁面 屋内 吹き抜け部分にキッズスペースを設けた際に設置された。 演奏時間が非常に短い。 稼働 神戸ハーバーランド 汽笛時計 2001年 セイコー 汽笛が鳴り、煙突から蒸気が出る。 10時~20時 自立 屋外 以前は蒸気のみの故障であったが、現在は作動すらしなくなっている。 故障(廃止?) Movie 神戸ハーバーランド 2010年 ヨーロッパベル カリヨン演奏に合わせて、動物たちが楽器を演奏する。 自立 屋内 時刻表示無し。キャナルガーデンがumieへ改装された際に撤去された。 撤去 Movie 神戸ハーバーランドセンタービル 巨大なピエロの人形が音楽にのせて左右に揺れ、手を動かす。 毎正時 不明 不明 ハーバーサーカス入居時代に設置されていた。晩年は故障で停止し、時計部も撤去されていたという。 撤去 Picture 中央体育館 1997年 シチズンTIC 扉が開き、野球選手,サッカー選手,ラグビー選手,サーフィン選手が登場。演奏曲は「おおシャンゼリゼ」。 自立 屋外 2010年頃に音楽が故障し、2011年頃に廃止された。 廃止 Movie ユザワヤ神戸店 創作のひつじ時計 シチズンTIC 小林亜星氏 ユザワヤ浦田店を参照。 壁面 半屋外 全国の複数のユザワヤに設置。 2017年より廃止状態であったが、2023年に撤去された。 撤去 Movie 須磨寺 1999年 紺野アートコーポレーション 時計が上がると小坊主が読経、さらに左右が反転して下部の扉も開くと弁慶や源義経、平敦盛等ゆかりの人物が次々登場。 9時~16時 壁面 屋内 2023年音楽が鳴らなくなっている。合掌。 音楽故障 Movie 認定こども園 夢 ぽえ夢 ジャクエツ 自立 屋内 室内設置。汎用型で、全国各地の幼稚園に設置。 不明 神戸市立摩耶小学校 楽しい学校 1992年 リニューアル:2024年 制作:ノーム リニューアル:岡本電子 学校型の時計の下部で子供たちが行進し、校舎の窓から先生たちが手を振る。 8時・8時15分・14時40分・15時40分・16時45分・17時 壁面 屋内 長らく故障していたが、2023年2月の「マツコの知らない世界」ご当地からくり時計の放送をきっかけに修理の検討が始まり、2023年9月に修理・復活した。 音楽は校歌や小学校校長が作曲した摩耶小学校オリジナル曲などが流れる。 2024年春にリニューアルされ、森のねんどを使用した人形や時計が新しくなり、楠やライトアップが追加された。 稼働 明石市 明石公園 時打ち太鼓 1989年 川崎重工 のれんが上がり、武士が太鼓を叩いて時を告げる。奇数時には舞い踊る。 毎正時 自立 屋外 時刻表示無し。数分前作動。 時間により演目が変わる。 2024年2月故障を確認。 故障 明石駅 鐘が鳴る時計塔 カリヨン演奏に合わせて噴水のパフォーマンス。曲目は「ドレミの歌」他。 自立 屋外 末期はカリヨン演奏のみだった。再開発に際し撤去。 撤去 Movie 明石駅 明石海峡大時計 音楽に合わせて、下部のタンクから泡が吹き出る。 自立 屋外 「鐘の鳴る時計塔」の反対側の広場に設置。再開発に際し撤去。 撤去 伊丹市 伊丹駅西側広場 フランドルの鐘 1990年 カリヨン演奏に合わせ扉が開き、人形が登場する。曲目は「チキチキバンバン」他。 自立 屋外 自動演奏機能の故障と近隣からの苦情により、動かないままとなっている。なお、現在は手動演奏のみ可能。 定期的にカリヨン演奏会が行われる。 時報廃止 西宮市 フレンテ西宮 1994年 ミラー張りの時計部が左右に割れ、3体の花の妖精人形が登場。中央の王女が迫り出し、左右の楽隊が横に揺れる。 10時・12時・15時・17時 壁面組み込み 屋外 99年出版の「時の表情」では普通の時計として、からくり時計の欄外で紹介されていた。筆者が気づかなかった可能性もある。 2009年頃まで稼働の記録があり、2010年頃に故障中の張り紙を確認。 廃止 Picture キッザニア甲子園 街時計 2007年 セイコー キッザニア東京を参照。 壁面組み込み 屋内 キッザニア東京にも同型(同アトラクション)が設置されている。 稼働 メルカードむこがわ 2010年 シチズンTIC カエルの指揮に合わせて動物たちが演奏する。人形の動きはスムーズで。曲目は「鯉のぼり」「ジングルベル」他季節によって変更され、動作も変わる。 10:00〜18:00 壁面 屋外 クリスマスにはカエルの指揮者がサンタクロース人形に変更されていた時期がある。 雨天時や強風時には稼働を停止する場合がある。 稼働 Movie 六甲道駅南口 1978年 自立 野外 鳥取「夢時計21」、青森「大空のうた」と同じタイプのからくりと思われる。 廃止 尼崎市 つかしん チキチキ時計 1985年 シチズンTIC 乃村工藝社 熊の音楽隊が登場し、指揮に合わせて時計上部の小鳥の家族が歌う。 壁面 屋内 撤去 出屋敷リベル リベルからくり時計 1990年 シチズンTIC スペースデザインアオイ 扉が開き、動物達が楽器を演奏。 壁面組み込み 屋内 地下街の入り口の階段に設置されている。 廃止 Picture 芦屋市 芦屋駅 花ちきゅう 1992年 セイコー ルジャパン 花で覆われた天球の花が開き、時計部から女神、周囲から世界の子供達が登場。からくり下部のモニターから映像も流れる。 8時~21時 自立 屋外 故障の多発と、修理の際足場を組むための交通整理の必要があるため、修理を断念。 廃止 Movie 川西市 アステ川西 ハミングツリー 1989年 セイコー 乃村工藝社 大島ミチル氏・小泉まさみ氏 木のあちこちから小鳥が顔を出し、時計部から妖精が登場。鳥は10分おきにも囀る。 11時~19時 自立 屋内 「ハミングツリー」という名前は一般公募で決定した。 妖精の腕、羽等が動かなくなっている。 2023年以降、故障が頻発し、9月以降はからくり停止状態で音楽のみの稼働。2024年1月から時計も止まってしまい3月には音楽も停止してしまった。 2024年7月に寄付金による広場リニューアルに伴い撤去予定。2024年6月22日にお別れ会が開かれた。撤去後人形の一部は保管・展示されている。 撤去 Movie (正時) Movie (10分毎) 新清和台幼稚園 ジャクエツ 正面の人形が自転車をこぎ、風車や木の葉っぱなどが回転する。 自立 野外 不明 宝塚市 アピアさかせがわ アピアさかせがわからくり時計 1987年 前田環境美術・石川商事 水を使ったからくりが作動し、水飲み場から濾過された水が出る。 8時~21時 当初は24時まで 自立 野外 水飲み場は撤去されている。 晩年は水が流れず、一部の仕掛けと音楽のみが機能している状態だったが、現在は時計も停止している。 廃止 Movie (末期) 姫路市 姫路駅ビル・フェスタ 1987年 セイコー 東祥高氏 扉が左右にスライドし、ブレーメンの音楽隊が登場。 壁面組み込み 屋外 開業30周年記念による設置。2011年に駅舎の建て替えで撤去された。 撤去 Movie ザ・モール姫路 ザ・モール周南 森の広場を参照。 壁面 屋内 周南店より二回りほど大きい。 廃止 Picture 加古川市 ヤマトヤシキ加古川店 世界の人形時計 1988年 セイコー 乃村工藝社・シマエレ 横浜そごうを参照。 壁面 屋外 型は大宮そごうと同じであるが、鐘が上部に2つ設置されている。このような形状の筐体は加古川店だけである。 撤去 イオン加古川店 1996年 ディグ YAMATO 時計から少し離れた天井につられた魔女の指や箒が光ると、柱の歯車やアンクルが動き出し、上ステージに乗った人形がオルゴールを演奏したりぶら下がったクリーチャーが回転する。 毎時00分 自立 屋内 側面の歯車は故障しているが、何故かアンクルは動いている。 近年故障により一時期動かなくなっていたが、間も無く再開。30分ごとから毎時00分稼働と変更にな離、時計が撤去された。 稼働(一部故障) Movie 赤穂市 息継ぎ広場 義士あんどん 2011年 シチズンTIC 四井商工? 忠臣蔵の名場面を解説付きで上演。仕組みは倉敷駅と似ており、各場面のユニットを回転させ切り替えるもの。 9時~20時 自立 屋外 音割れが起きている。 扉が半開きになることがある。 稼働 Movie 浜田第二公園 1988年 シチズンTIC スペースデザインアオイ 中央部の13個の風車が回転する。 自立 屋外 ボタンを押すと風車が回転する仕掛けがあったが、ボタンが抜かれており廃止した模様。 廃止 Picture 丹波市 やぐら公園 時の太鼓櫓 2000年 櫓が開くと、武士が太鼓を叩く。 自立 屋外 時刻表示無し。 故障後2016年頃廃止。廃止後は扉が撤去され人形が見えるようになっている。 廃止 豊岡市 木屋町小路 ボールサーカス フェネック 30分ごと 自立 不明 アイティ ボールサーカス 1997 時間になると音楽がなり、時計が光ばした後、ボールサーカスが起動し10分程度転がる。 毎正時 自立 屋内 時報が狂っている。 店内撮影禁止なので注意。 稼働 猪名川町 日生中央センタービル カリヨンの塔 1986年 塔のカリヨンが鳴り、扉が開き合唱隊が登場。曲目は「どこかで春が」「赤鼻のトナカイ」他 全15曲。 10時・12時・15時・18時 壁面組み込み 屋外 四季によってカリヨンの曲、合唱隊が歌う曲が異なる。10時はカリヨンが鳴らない。 タイマーが正確ではなく、5分程度遅れる場合がある。 稼動 Movie 福崎町 辻川山公園 河童の河次郎と子河童たち 2015年 ポップ工芸 なし 時間になると、池の中から気泡が大量に現れ、その後水中から河童の人形が登場する。 9~17時の15分毎 6〜9月は18時まで 水中組み込み 屋外 時刻表示無し。「ナニコレ珍百景」にて取り上げられたことがある。 一時期人形が三体になるなど定期的にリニューアルされる。 稼働 妖怪小屋の逆さ天狗 2016年 ポップ工芸 扉が開き、逆さ吊りの天狗がワイヤー伝いに滑走する。 9時5分~17時5分までの15分毎(河童の5分後) 自立 屋外 河童の人形が好評だったことから、新たに設置された。 稼働 福崎駅 ガジロウチューブ 2017年 ポップ工芸 なし 筒状のカプセルの中から河童「ガジロウ」が登場する。 7時7分〜20時7分までの、7分・22分・37分・52分 自立 屋外 辻川山公園と行き来し、登場するという設定。 稼働 播磨町 土山駅 2003? 北野誠 櫓に並んだ古代人が回転する。 毎正時 自立 屋外 時計が狂っている。 動かないという情報あり。 故障? Movie 神崎郡 神崎幼稚園 ヤスダモデル 扉が回転し、神河町のマスコット「カーミン」が楽器を弾きながら登場する。 壁面 野外 不明
https://w.atwiki.jp/localcommunity/pages/38.html
ステージはSNAKE EYEで行う 各チーム時計台の頂上を占領しあう遊び 基本的にTKありで進行、狭い通路にて味方の流れ弾をバカスカ喰らう羽目になる スコーピオンが多数居ればそらもう地獄絵図である ルール 1使用武器はハンドガン、ナイフ、スモークのみ 2時計台以外の施設、また施設外では攻撃禁止 3時計台への進入は、各リスポの方向からだけ進入可能 4相手が進入路を塞いでいる場合は射殺しておk 5屋上を占領した特権として、分隊長のみメイン武器で塔の頂上から外への攻撃は可能 しかし分隊長の交代は時計台の施設外でしか行えない 流れ 基本的に通路戦にハンドガンやナイフの縛りを入れて、占領戦ぽく仕上げた遊び 上のほうが有利に感じるが、これまた不思議とずっと占領してられない何かが時計台にはある ハンドガンがメインな為、すぐに弾切れ起こす、そして敵を倒しても落とすのはメイン武器のため、弾丸の補充は不可能 スコーピオンだと打ち合いには勝てるが、即座に弾切れを起こし、敵援軍に殺される 残ったナイフだけで応戦してると、スモーク投げ込まれて一気に乗り込まれ、的にされる 戦いのポイントは分隊長を如何に安全に上に送り込み、相手の時計塔への入室を減らせるか、そして、弾切れを起こすハンドガンを頼りに如何に頂上を守るかである、もちろん分隊長の武器が弾切れを起こしたら下に下りてメイン武器の回収も重要になる、その時には分隊長も使用武器はメイン禁止である
https://w.atwiki.jp/bellclockpage/pages/52.html
都道府県 地域名 施設名 時計の名称 備考 鳴動時間 稼働状況 参考リンク 大阪府 大阪市 大阪駅 カリヨン時計塔 13鐘。待ち合わせ場所としても有名。 稼働 北区役所 9鐘。 10時・12時・15時・17時 大阪新阪急ホテル 廃止 西成区役所 不明 大阪フィルハーモニー会館 不明 住友生命いずみホール 不明 OBPキャッスルタワービル ゲートの柱に設置 故障 難波駅 稼働 Movie カプセルホテル朝日プラザ心斎橋 千船駅前広場 西淀川区 南港中央公園 鐘の樹 住之江区 故障 長瀬産業株式会社大阪本社 稼働 Movie ソニーショップさとうち 不明 Picture アバリーナ千船 カリヨン 現在はお店自体が閉業している。 不明 東大阪市 サンコーインダストリー東大阪営業所 時計も動いていない 廃止 堺市 ショッピングセンター パンジョ 稼働 大仙公園 緑の鐘(親鳥) 季節ごとに曲が変わる。カリヨンが故障し、代わりにカリヨン風の音楽を流している 10時・13時・16時 音楽のみ むか新 堺本館 2010年ごろ時計が埋められた。 廃止 吹田市 関西大学 凛風館 カリヨン13ベル。演奏曲は学歌や大学応援歌を演奏するために変則の音階ベルが組まれている。カリヨン自動演奏時に連動して扉が開く。時間はGPSで時刻修正。 稼働 万博記念公園 フラワーベル 10分遅れて動く 9時30分・10時~17時 稼働 千里南公園 12鐘。1日4回季節の曲を演奏する。 10時・12時・15時・17時 故障 江坂公園 ホテル阪急エキスポパーク 建物自体が閉鎖されている 不明 Picture 枚方市 ニッペパーク岡東中央 平和の鐘 ヒラリヨン 平成9年設置。ブロンズ製18鐘。市テーマソング「この街が好き」をはじめ、季節に合わせた約50曲が1日10回流れる。 稼働 Movie 豊中市 豊中市役所 豊島公園 昭和61年10月15日設置、9鐘。 正午 豊中駅 1日3回鳴る。曜日ごとにその時間の曲が変わる 7時・12時・17時(日曜12時・17時) 稼働 Movie 野畑東公園 年々時計の傾きが悪化している。 不明 Picture 見徳山公園 不明 寝屋川市 摂南大学 9鐘。1日に5回、大学学歌や四季に応じた美しいメロディを奏でる 10時55分・13時05分・14時55分・16時35分・18時15分 茨木市 追手門学院大学 なごみの鐘 2009年設置。 箕面市 箕面駅 守口市 守口市駅アポロン橋 希望の鐘 からくり付随。14鐘。 8時・10時~18時・20時・22時 稼働 池田市 サンシティ 昇陽の樹 季節ごとに曲が変わる 10時・12時・15時・18時 稼働 河内長野市 赤峰市民広場 ふれあいの鐘 撤去予定 廃止 松原市 松原市役所 12鐘。 10時、12時、15時、17時 摂津市 平和公園 廃止 Movie 泉南群 熊取町駅前広場 夢 12鐘 8時~20時 稼働 京都府 京都市北区 学校法人ヴィアトール学園 洛星中学校 洛星高等学校 10鐘 稼働 京都市中央区 大丸京都店 カリヨン8鐘。演奏曲目は季節によって変化。 午前10時から午後7時の毎時間 不明 京都市西京区 トロッコ保津峡駅 トロッコ到着の度に曲を奏でる 京都市左京区 同志社小学校 京都市中京区 京都三条会商店街 苦情により、廃止 廃止 Movie 舞鶴市 舞鶴引揚記念館 12鐘。四季に応じた曲目を30分毎に奏でる 30分毎時 稼働 Movie 亀岡市 亀岡駅 平和の鐘 宇治市 宇治市役所 平和の鐘 祈り からくり付随。寄付により建設し、名前を公募で決定。平和を願う曲や季節の曲などを演奏。季節毎に変更 朝8時から夜7時(夏期は8時)までの毎正時 稼働 Picture 寝屋川市 ベル大利商店街 大利神社側の入口のアーケド天井に設置。一部アーケドが解体されたが現存。 不明 精華町 華の広場 稼働 滋賀県 彦根市 金亀公園 12鐘 8時〜17時毎正時 東近江市 八日市駅駅前広場 新風 1998年設置。一時停止していたが復活 稼働 Movie(誤字あり) 水口市 水口病院 チューブラーカリヨン。中庭に設置されている。 稼働 Movie 高島市 グリーンパーク想い出の森 奈良県 天理市 天理市役所 不明 王寺町 本町1丁目交差点 和の鐘 稼働 河合町 馬見丘陵公園 1時間ごとに演奏。季節ごと時間ごとに曲が変わる。 稼働 生駒郡平群町 平群駅・駅前広場 1時間ごとに演奏。季節に合わせた童謡などさまざまなメロディを演奏。 稼働 北葛飾郡上牧町 レインボープラザ西大和 道路に向けて設置された3鐘。廃墟に近い状態だったが最後のテナントであるダイソーの撤退により完全閉鎖 不明 和歌山県 和歌山市 和歌山市駅前 1989年頃設置。2018年までは確認。再開発により撤去されたと思われる。 撤去 わかちか広場 不明 マリーナシティ サンセットパーク いぶきの塔(サンセットカリヨン) 白浜町 南紀白浜空港 撤去 兵庫県 神戸市中央区 山の手小学校 1日2回童謡「海」を演奏 12時、17時 人と防災未来センター 鎮魂のカリヨン時計塔 1鐘しかない。公式ではカリヨン呼称の為ここではカリヨンとして扱う。 不明 元町商店街 西神プレンティ プレンくんの夢 からくりに付随。 30分毎 撤去 Movie タイムズサンベル400 洋鐘3鐘。詳細不明。 不明 Movie 神戸ハーバーランド カリヨンサウンドと共に動物たちが回転。 撤去 Movie 神戸ハーバーランド ウエストミンスターチャイム?が流れ重音3回が流れる。時計の針が抜かれ廃止。 廃止 Movie こべっこランド 不明 神戸北野迎賓館 morozoff時代に設置。その後廃墟化していたが、2020年に買い取られた。 不明 Picture 西区 西神南センタービル オズのカリヨン からくり付随。チューブラーベル 廃止 北区 岡場公園 飛翔 落雷で一時期故障していた。その後修理されたが現状不明 不明 Movie 兵庫区 湊川公園 Movie 灘区 神戸松蔭女子学院大学 9時、12時30分、18時 稼働 須磨区 須磨パティオ 長田区 アスタプラザイースト 廃止 Movie 武庫川女子大学 不明 西宮市 西宮駅北口 すみれの花咲く頃などが演奏される。 9時・12時・15時・18時 稼働 Movie カトリック夙川教会 1932年設置。日本最古のカリヨン。 稼働 Movie 伊丹市 伊丹駅前 フランドルの鐘 43鐘 10~17時毎正時 丹波篠山市 森のたーみなる 季節によって曲が変わる。移設予定 8時・12時・15時・17時・19時 撤去 尼崎市 つかしん 25鐘 稼働 宝塚市 ベガ・ホール 不明 芦屋市 芦屋市役所 7時、18時 明石市 明石駅前 撤去 川西市 アステ川西 何年前に制御が変わり演奏する曲の数が少なくなった 12時・17時・20時 稼働 三木市 吉川総合公園 8鐘 9時〜17時毎正時 関西国際大学 淡路市 カリヨン広場 不明
https://w.atwiki.jp/overmass/pages/276.html
固有名称 終末の聖女 基本名称 クレマンティーヌ レアリティ ★5 タイプ 心 ロール ヒーラー 種族 人間種 攻撃タイプ 魔法 ※MAX~LV150 スキルLV100・親密度最大時 ※Fin ★5覚醒スキル解放ボーナス補正込み ステータス LV100 MAX LV110 LV120 LV130 LV140 LV150 Fin HP 7,724 8,224 9,226 9,851 10,385 10,867 11,314 17,314 攻撃力 4,534 5,740 6,006 6,171 6,312 6,440 6,558 7,558 防御力 2,636 3,313 3,518 3,646 3,756 3,855 3,946 6,346 素早さ 308 358 383 399 412 424 435 465 ★5覚醒後・スキル解放ボーナス補正 LV120 LV140 タイプ 精霊種特攻 HP+900 防御力+1,680 アタッカー 重傷治癒 攻撃力+300 素早さ+20 ヒーラー 盾壁の祈り 防御力+720 HP+2,100 タンク 物理耐性UP HP+900 攻撃力+700 タンク 魔法耐性UP 素早さ+10 HP+2,100 タンク 合計 HP +6,000 攻撃力 +1,000 防御力 +2,400 素早さ +30 スキル 精霊種特攻 () 奥義ゲージ+6~9 MP3 敵単体に1回の魔法攻撃精霊種キラー+20% 重傷治癒 (ヘビーヒーリング) 奥義ゲージ+9~14 MP3 味方単体のHPを回復する 盾壁の祈り () 奥義ゲージ+9~14 MP3 味方全体に3ターン、魔法攻撃力+40%味方全体に3ターン、被魔法ダメージカット+10% 物理耐性UP パッシブ 被物理ダメージカット+15% 魔法耐性UP パッシブ 被魔法ダメージカット+15% ★5覚醒後・スキル効果 スキル LV 効果 精霊種特攻 LV100 敵単体に1回の魔法攻撃精霊種キラー+20% LV120 敵単体に1回の魔法攻撃精霊種キラー+20% LV140 敵単体に1回の魔法攻撃精霊種キラー+20% 重傷治癒 LV100 味方単体のHPを回復する LV120 味方単体のHPを回復する LV140 味方単体のHPを回復する 盾壁の祈り LV100 味方全体に3ターン、魔法攻撃力+40%味方全体に3ターン、被魔法ダメージカット+10% LV120 味方全体に3ターン、魔法攻撃力+48%味方全体に3ターン、被魔法ダメージカット+12% LV140 味方全体に3ターン、魔法攻撃力+60%味方全体に3ターン、被魔法ダメージカット+15% 物理耐性UP LV100 被物理ダメージカット+15% LV120 被物理ダメージカット+18% LV140 被物理ダメージカット+22.5% 魔法耐性UP LV100 被魔法ダメージカット+15% LV120 被魔法ダメージカット+18% LV140 被魔法ダメージカット+22.5% 奥義 すべての人々に救済を (メシア) Lv1 味方全体のHPを回復する Lv2 味方全体のHPを回復する Lv3 味方全体のHPを回復する Lv4 味方全体のHPを回復する Lv5 味方全体のHPを回復する ★5覚醒後 Lv6 味方全体のHPを回復する Lv7 味方全体のHPを回復する Lv8 味方全体のHPを回復する Lv9 味方全体のHPを回復する Lv10 味方全体のHPを回復する 備考 2020年9月30日上方修正 HP 1,183 (5,913) → 1,545 (7,724) 攻撃力 916 (4,489) → 925 (4,534) 防御力 1,245 (2,489) → 1,318 (2,636) 重傷治癒 (ヘビーヒーリング) 消費MPを4から3に変更 物理耐性UP 効果量を上方修正 魔法耐性UP 効果量を上方修正 2023年1月13日覚醒(調整なし) 評価 良い点 HPが高い。 MP3の「重傷治癒」でHPを大幅に回復可能。 奥義で全体回復が可能。 「盾壁の祈り」はMP3で魔法攻撃力+40%と魔法ダメージを10%カット可能な良コスパスキル。 悪い点 パッシブスキルの被魔法ダメージカット+15%が「盾壁の祈り」で上書きされてしまう。 「精霊種特攻」は攻撃力が低いため火力が出ない無駄スキル。 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/aliceguide/pages/11.html
“時計屋”ユリウス=モンレー (CV:子安武人) 根暗な機械マニア。すぐに落ち込む。 時計塔に住んでいて、あまり外には出ない。 物事を悪いほうへ悪いほうへ考え、人間不信気味だが、エースとは仲がいい。 自分より不幸な彼を見ると、とっても幸せな気分になれるらしい。 暗い上に嫌な奴である。 三月ウサギ・エリオットの投獄にも絡んでおり、恨まれている。 ユリウス関連イベント ※ユリウスの好感度を上げていると強制イベントが発生。 時計の真実 「・・・・・あの地区の住人が時計を…」(倒れた男3回目後)(ハート2~3個の間で発生確認)(ハート不要?0でも発生確認。訪問回数5,6回) 怪我と世界のルール ◆遊園地で(ユリウス/ゴーランド) ユリウスの好感度を上げて、昼にゴーランドを訪問すると発生。 3回まで確認。2回目と3回目はスチルあり。 ゴーランドの好感度は関係しないようで、訪問回数1回でも発生しました。 ユリウスのハート何個で発生するかは確認できていません。 1回目はユリウスのハート2、2回目はハート3、3回目はハート4で発生確認。 ◆時計を直せ(ユリウス/女王)CG有り 女王の好感度を上げると強制イベントが発生。 1回目は女王の好感度は関係ない模様。女王に会わず舞踏会を迎え、 舞踏会後に1回会うだけで発生を確認。舞踏会前でも発生確認。回想12の後。 ユリウスのハートは2必要(?) 2回目は女王ハート1の後のスチルを見ていると発生。回想16の後。 3回目は女王ハート2の後のスチルを見ていると発生。回想20の後。 ◆遭遇(ユリウス/ペーター) CG有り ペーター友情イベント2後に確認。 強制発生のイベント。 ※時計等滞在中、ユリウスと平行してペーターの好感度を上げる 「ついてくるな、アリス」 ◆時計塔での対峙(ユリウス/エリオット) エリオットのハート1まで好感度を上げると自動発生。 ユリウスのハートは5で確認。それ以外の場合は未確認。 「アリス・・・。何って・・・、銃を向けてるんだけど?」 ユリウスイベント ※時計塔滞在中のみ攻略可能。 時計塔を滞在先にするにはエースのENDを見る必要があります。 回想1は10ターン目以降でないと発生しません。 21~23は舞踏会前に20までイベントを見ないと発生しません。 舞踏会後に23までイベントを見ないとENDが発生しません。 ◆舞踏会前 回想1(昼)「ねえ、ねえ、ユリウス」 回想2(昼)「ありがとうございます」 回想3(夜)「熱心すぎる・・・」 回想4(夜)「どうぞ」 回想5(昼)「・・・・・帰った」 回想6(昼)「ユリウス!久しぶりだな!!!」 回想7(昼)「この部品、見たことないな・・・」 回想8(昼)「う~ん・・・」 回想9(昼)「ん~~~・・・」 回想10(昼)「見て見て見て・・・!」 回想11(夜)「・・・・・寝ないの?」 回想12(夜)「・・・・・ユリウス?」 回想13(夜)「また眠れないのか?」 回想14(昼)「私・・・、誉められるようなこと...」 回想15(昼)「・・・・・また?」 回想16(昼)「んん・・・っ」 回想17(夜)「ねえ、まだ寝ないの・・・?」 回想18(夜)「ねえねえ、もう寝たほうがいいわよ」 回想19(夜)「ユリウス・・・」 回想20(夜)「・・・・・・ない」 ◆舞踏会 舞踏会A ※同時にエースの好感度をハート5前後まで上げておくことで発生。 ただし、ユリウスよりも好感度を高くしないこと。 舞踏会B ※ダンスを続ける/切り上げるでそれぞれ別のCG有り。 ◆舞踏会後 回想21(昼)「すごい風ねー・・・」 回想22(昼)「ははは」 回想23(昼)「・・・・・消えてしまいそうだ」 ユリウスEND(舞踏会Bの時) ユリウス&エースEND(舞踏会Aの時) ※一見同じものに見えますが、読み進めると結末が違います。
https://w.atwiki.jp/sagararyou/pages/77.html
Weekend Clock ~週末に鳴る終末の時計~
https://w.atwiki.jp/83452/pages/16143.html
○ 夜道、聡の後ろ、ママチャリの荷台に乗って、私は運ばれていた。 さっき何で聡は自分のマウンテンバイクじゃなくて、 どうして母さんのママチャリに乗ってるんだろうと思ったけど、 それは私を後ろに乗せるためだったんだな。 確かにマウンテンバイクじゃ二人乗りは難しいだろう。 ちゃんと先まで考えてる聡の行動に私は何とも言えない気分になる。 「ごめんな、聡。 迷惑掛けちゃったな、また……」 荷台で揺られ、私は小さく呟いた。 後先を考えない自分の行動と、先まで見据えた弟の行動を比べてしまうと、 こんな自分が本当に梓を助けてやれるつもりだったんだろうか、とつい自虐的になる。 空回りばかりしてしまう自分。 情けなくて、不安で、溜息ばかりが出て来て、止まらない。 そんな私に向けて、聡は自転車を漕ぎながら軽く笑った。 「いいよ。姉ちゃんに迷惑掛けられるのは慣れてるしな」 「何だよ、もう……」 私は頬を膨らませてみるけど、言い返す言葉は無かった。 聡の言う通りだ。 私はいつも後先考えずに動いちゃって、人に迷惑を掛けてばかりだ。 友達だけじゃなく、弟の聡にだって……。 世界の終わりの直前のこんな夜道、 軽口を叩いているけど聡だって恐かったはずだ。 それなのに私を見付けて、駆け付けてくれるなんて、 私と違って本当によくできた弟だと思う。 「ごめん……な」 無力感が私の身体に広がりながら、消え入りそうな言葉で言った。 走り回って疲れ果てたせいもあるけど、勿論それだけじゃなかった。 世界の終わりまで残り四日。 日曜日は実質的に無いも等しい日だと聞いてるから、 普通通りに過ごせるのは土曜日が最後になる。 私はその土曜日を後悔なく過ごせるんだろうか。 最後のライブを悔いなくやり遂げられるんだろうか。 ……今の状況じゃ、どう考えてもそれは無理そうだ。 だから、私は「ごめん」と言った。 「ごめん」としか言えなかった。 聡にだけじゃなく、何もしてやれない澪と梓に。 最後のライブを楽しみにしてるムギと唯に。 私を気に掛けてくれている全ての人に。 「おいおい、姉ちゃん。 そんなに落ち込まないでくれよ。俺、気にしてないしさ」 笑顔を消して、真剣な表情で聡が言ってくれる。 ふざけた感じじゃなくて、本気でそう思ってくれているみたいだった。 その様子が、私にはまた心苦しい。 「だけど……、聡にだって最後の日まで、 したい事や、それの準備なんかもあるだろ? それをこんな……、私の考えなしの行動に時間を取られちゃって……。 そんなの……、いいわけないじゃんか……。 だから……」 「いいんだって。 だって、姉ちゃんだもんな。 そんな姉ちゃんでいいんだよ、俺」 「……どういう事?」 「姉ちゃんってさ。 自分に何か起こった時より、誰かに何か起こった時の方が心配そうな顔してるよな。 自分の事より、誰かの事を心配してるって思うんだよな。 だから、気が付いたら動いちゃってるんだよ、姉ちゃんは。 考えなしではあるけど、考えるより先に誰かの事を心配しちゃってるんだよ。 それってすごく馬鹿みたいだけど……、すごく嬉しいんだ」 何も言えない。 聡の言葉が正しいのかどうかは分からないし、 自分が何を考えて梓を追い掛けたのかも分からない。 聡が言ってくれるように、 梓の事が心配でそれ以上の事を考えられなかったのかもしれないし、 もしかしたらそうじゃない可能性もある。 でも、迷惑を掛けてばかりなのに、聡はそれを「すごく嬉しい」と言ってくれた。 それだけで私は救われた気になって、何だかとても安心できて、 気が付けば前でペダルを漕ぐ聡に手を回して、全身で抱き付いてしまっていた。 とてもそうしたい気分だった。 「ちょっと、姉ちゃん……。 くっ付くなよ、暑苦しいぞ……」 嫌がってるわけじゃない口振りで聡が呟く。 姉とは言っても、年の近い異性に抱き付かれて照れてるのかもしれない。 そんな反応をされてしまうと、私の方も少し恥ずかしくなってくる。 だけど、まだ聡から離れたくもなくて……。 「あててんだよ」 ちょっと上擦った声で、前に唯から流行ってると聞いた事のある漫画の台詞を言ってみる。 「あててんのよ」だったっけ? まあ、いいか。 とにかく私は恥ずかしさを誤魔化すために、そうやってボケてみた。 だけど……。 「何をだよ」 と、そうやって聡が真顔で返すから、私は悔しくなって軽く聡の頭を小突いた。 「何すんだよ」と聡が非難の声を上げたけど、私はそれを無視した。 いや、自分でも分かってんだよ……。 最近、梓にすら追い抜かれそうで辛いんだよ……。 前に色々あって梓に胸を触られる事があった時、 これなら勝てると言わんばかりの表情を浮かべられた時の屈辱を私は忘れん。 流石に梓になら負ける事は無いだろう、と思いたいけど、 今じゃ化物レベルの澪だって中学の頃は私よりも小さかったんだ。 油断は出来ない。 豊胸のストレッチやら何やらは当てにならないけど、 少なくとも栄養だけは確実に摂取しておかないとな……。 そう思った瞬間、急に私のお腹が大きく鳴った。 考えてみれば、夕飯も食べてなかった。 夕食抜きで泣き疲れた上に三十分以上も走り回ったんだ。 そりゃ私のお腹も大声で鳴くよな。 仕方がない。それは必然的な生理現象なのである。 生理現象なのである……のに、振り向いた聡がとても嫌そうな顔で言った。 「うわー……。 姉とは言え、女の人のそんなでかい腹の音を聞きたくなかった……」 「うっさい。誰だって鳴る時は鳴るんだ。 澪だって、唯だって、ムギだって、梓だって鳴るんだ。 おまえの好きなアイドルのあの子だって、腹が減ったら腹が鳴るんだ」 「嘘だ! 春香さんはお腹を鳴らしたりなんかしない!」 「昭和のアイドルかよ……」 呆れて私が突っ込むと聡は小さく笑った。 どうやら冗談だったらしい。 流石にアイドルでもお腹を鳴らすという現実くらいは分かってたか。 それは何よりだ。たまに分かってない人もいるからなあ……。 そうして二人で小さく笑いながら、自転車で帰り道を走る。 たまに不満を口にしながらも、聡は後ろでくっ付く私を振り払いはしなかった。 私の好きにさせてくれるつもりなんだろう。 今更ながら、聡と二人乗りをするのはとても久し振りだと気付いた。 特に聡が漕ぐ方の二人乗りは初めてのはずだ。 聡も私を乗せて二人乗りできるくらいに成長したんだな、と何だか姉みたいな事を思ってしまう。 って、実際にも姉なんだけどさ。 「そういえば……」 不意に気になって、私は気になっていた事を訊ねる事にした。 少しだけ聡に回す手に力が入る。 「どうして私があんな所にいるって分かったんだ?」 「超能力だよ。 姉ちゃんも知ってるだろ? 双子には超常的なシンクロ能力が……」 「冗談はよせい。と言うか、私ら双子じゃねーし」 「はいはい、分かったって。 いや、部屋で漫画読んでたらさ、急に家の中がバタバタ騒々しくなったんだよ。 何かと思って部屋から出てみたら、姉ちゃんが家から出てくところじゃんか。 まるで親と喧嘩して家出してく娘みたいだったぞ? それで一応、父さんに事情を聞いてみようと思って部屋に行ったら、父さんと母さん寝てたし……。 しかも、姉ちゃんに電話掛けようと思ったのに圏外だし……。 それで母さんのママチャリ借りて、姉ちゃんを追い掛けてきたんだよ。 結構捜し回ったんだぞ? 姉ちゃんって足速いよな」 「家出娘みたいだったか、私?」 「うん。とても必死で、何かに焦ってて、すごく泣きそうな顔に見えたし」 「……泣いてねーよ」 「見えたってだけだよ」 「泣きそうな顔に見えた……か」 弟の聡にそう見えたって事は、私は本当に泣きそうだったのかもしれない。 それは梓の事が心配だったからってのもあるんだろうけど、 これ以上、何かを無くしたくないっていう自己中心的な悲しみが原因でもあるような気もした。 聡は私が誰かを心配すると、考えるより先に動くと言ってくれた。 それは私自身もそう思わなくもないけど、 その心の奥底では誰かを失う事が恐くて、 自分が悲しみたくなくて、居ても立ってもいられなかっただけかもしれない。 勿論、そんな事を口に出す事はできなかった。 だけど……、それでも……。 聡は一人で怯えていた私の所に来てくれた。 それだけは本当に嬉しくて、私はまた全身で強く聡を抱き締めた。 そんな私の姿に、また聡が苦笑して言う。 「痛いよ、姉ちゃん」 「あててんだよ」 「肋骨を?」 「肋骨が当たったら、そりゃ痛いわな……。 って、何でやねん!」 「だから、冗談だって。 でも、何はともあれ、家に帰ったらゆっくり休めよ、姉ちゃん。 ライブやるんだろ? 体調管理も大事な仕事だぜ」 「ライブやるって伝えたっけ?」 「前にたまたま会った澪ちゃんに聞いたんだよ。 澪ちゃん、すごく楽しみにしてるみたいだった」 「澪ちゃん……ねえ」 「いや、澪さんな、澪さん!」 焦って聡が訂正する。別に恥ずかしがらなくてもいいのにな。 最近、聡は澪の事を『澪さん』と呼ぶようになった。 小学生の頃までは『澪ちゃん』と呼んでいたのだが、 中学生男子にとって、年上の女をちゃん付けで呼ぶのは抵抗があるものらしかった。 我が弟ながら、よく分からない所で繊細な男心だ。 いや、今はそれよりも……。 「そうか……。 あいつも楽しみにしてくれてるのか……」 私は声に出して呟いてしまっていた。 私だけじゃなく、聡もそう感じるって事は、 澪も本当に最後のライブを楽しみにしてくれてるんだろう。 「成功させたいな……」 本当に、成功させたい。 笑って、終わらせたい。 楽しみにしてくれてる皆の期待に応えたい。 そうして、最後に私達の結末を見せ付けたい。 世界に刻み込んでやりたい。 私達は軽音部でよかったんだと。 そのために越えなきゃいけない壁は大きいけど、 ライブを成功させたいのは自己中心的な理由ばかりかもしれないけど、 それでも……。 私の考えを感じ取ってくれたんだろうか。 不意に優しい声色になって、聡が言った。 「とにかく頑張ってくれよ、姉ちゃん。 ライブ、俺も観に行こうと思ってんだからさ」 「いいのか?」 「何だよ。俺が観に行っちゃ駄目なの?」 「いやいや、そうじゃなくて……。 実はさ、まだ確定じゃないけど、ライブは土曜日にやる予定なんだよ。 土曜日……、つまり世界の終わりの日の前日だぞ? いいのかよ? 聡にだって予定があるんじゃないのか?」 「残念だが、無い!」 「うわっ、言い切りおった! 言い切りおったぞ、我が弟め!」 「実はさ、俺が世界が終わるまでにやりたかったのは、あのRPGのコンプリートなんだ。 いや、焦ったよ。始めたばかりの頃に『終末宣言』だったからさ。 大作RPGでコンプまで300時間は掛かるって聞いてたから、本気で頑張ったんだよ。 でも、それもこの前、鈴木と手分けして終わらせたから、後の予定は何もないんだ。 いや、本当はあったのかもしれないけど……」 「何かあったのか?」 「これ恥ずかしいから、あんまり言いたくないんだけど……」 「何だよ?」 「同じクラスの女子に告白したら、振られた。 だから、もう予定はないし、できる予定もないんだよな」 「あちゃー……」 言いたくない事まで言わせちゃっただろうか? 私は申し訳なくなって聡の顔を覗き込んだけど、 月明かりに照らされる聡の顔は何故かとても清々しく見えた。 「まあ、駄目で元々だったしさ。 告白できただけで十分……、なんて言うほど割り切れてはないけど、すっきりはしたよ。 だからさ、姉ちゃんのライブを観に行くよ。 鈴木達も予定無さそうだし、誘ってみる。 実は鈴木の奴、「おまえの姉ちゃん可愛いな」って言ってたから、多分姉ちゃんに気があるぞ?」 「マジな話?」 「うん。髪が長くてスタイルいいし、ツリ目な所も本当に可愛いって……」 「それ澪じゃねえか!」 「いや、実は姉ちゃんが澪さんと遊んでる時に見掛けた事があって、 「あれが俺の姉ちゃんなんだ」って鈴木に言ったら、 澪さんの方が俺の姉ちゃんだって勘違いされて、何となく訂正できなかった……」 「訂正しとこうぜ、そういう時は!」 「安心して。ライブの日に訂正しとくから」 「それ恥ずかしいの私じゃねえか! やめてくれ……。 その鈴木君が幻滅した目で私を見るのが想像できる……」 げんなりと私が呟くと、本当に楽しそうに聡が笑った。 本当に生意気な弟だ。 でも、そんな所がやっぱり私の弟だな、って思えて、何だか私も笑えた。 これだけは『終末宣言』前からも変わらない私達の関係。 変わり行く世界で、変わらないものもあるんだ。 本当は私も変わらなきゃいけないのかもしれない。 でも、『変わらない』事がその時の私には嬉しかった。 15
https://w.atwiki.jp/gudagudafamily/pages/67.html
12500-7500くらい 勝ち!